2026.08.09(日) / 00:57
「次は何だろう?」と予測するだけで、学習は変わる——ピアノから気づいた予測学習
- ID
- 40470
- Published
- 2026-08-09 00:57
- Modified
- 2026-08-09 00:57
- Author
- khiro
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今日、ピアノでONE OK ROCKの「Tropical Therapy」を弾いてみた。
YouTubeでピアノ演奏の動画を見ながら鍵盤を探していくと、最初の5音くらいではあるが、それっぽく旋律を弾くことができた。
実際に鍵盤を触ってみて気づいたのは、自分が想像していたよりも音が高かったことだ。
そこでふと思った。
「次の音はこのあたりじゃないか?」
そう予測して鍵盤を押し、実際の音と比較する。
違っていれば修正して、もう一度弾く。
この繰り返しこそ、何かを身につけるうえで重要なのではないだろうか。
ピアノとプログラミングは意外と似ている
ピアノを弾くこととプログラミングには、共通する部分がある。
ピアノには、一つひとつの音がある。
それを順番に並べ、リズムを与え、少しずつつなげていくことで一つの曲になる。
プログラミングにも、if文、for文、リスト、辞書、関数といった基本的な部品がある。
それらを問題の要件に合わせて組み合わせることで、一つのアルゴリズムになる。
どちらも、いきなり完成形を作るわけではない。
小さな単位を理解し、それらを組み合わせることで、少しずつ大きなものを作れるようになっていく。
「お手本を見る」だけではなく「次を予測する」
ここでもう一つ重要だと思ったのが、「お手本」の使い方だ。
お手本をそのままコピーするだけでは、自分で考える機会が少なくなる。
一方で、何も見ずに永遠に考え続ければいいわけでもない。
集中力には限界がある。
そもそも、自分の中にまだ存在しない知識や発想を、何時間も考え続けて生み出そうとするのは効率が悪い場合もある。
そこで、その中間にあるのが、
「まず予測して、それからお手本を見る」
という学習方法だ。
ピアノなら、
「次はこの音かな?」
と予測して鍵盤を押す。
そして動画のお手本と比較する。
違っていたら修正する。
プログラミングなら、
「ここではfor文を使うのではないか?」
「このデータは辞書に入れるのではないか?」
「次の1行はこうなるのではないか?」
と予測してから模範解答を見る。
そして違いを確認し、もう一度自分でやってみる。
つまり、
予測 → 答え合わせ → 修正 → 再び予測
というループを回していく。
振り返ると、大学受験ですでにやっていた
ここまで考えて、昔の強烈な成功体験を思い出した。
大学受験だ。
当時の自分は数学が嫌いだったわけではない。むしろ好きだった。
ただ、解ける問題の種類が少なかった。
今の自分の言葉で表現するなら、
「アルゴリズムの引き出しが少なかった」
のだと思う。
問題を見ても、どの解法を使えばいいのか分からない。
そこで取り組んでいたのが、四谷学院の55段階の問題だった。
地下鉄に乗っている時間などを使って、まず何も見ずに問題を解いてみる。
当然、できない問題もある。
そこで解答を見る。
「ああ、こうやって解くのか」
と確認する。
しかし、それで終わりにはしなかった。
もう一度、何も見ずに解いてみる。
まだできなければ、また解答を確認する。
そして再び、何も見ずに解く。
自分だけで解けるようになるまで、それを繰り返した。
今振り返ると、これもまさに、
予測 → 答え合わせ → 修正 → 再予測
だった。
「本番でできる」という感覚
そして大学受験本番。
問題を解いていて、
「できる」
という感覚があった。
これまで何度も問題と向き合い、できなかった問題の解法を確認し、自力で再現することを繰り返していた。
その積み重ねによって、以前なら思いつかなかった解法が、自分の中から出てくるようになっていた。
問題を解きながら気分が高揚していたことを覚えている。
そして結果は、
特待生。
これは自分にとって強力な成功体験になった。
今になって考えると、数学が突然得意になったわけではなかったのだと思う。
一つひとつ、
「この問題なら、この解法」
という引き出しを増やしていった。
つまり、アルゴリズムを蓄積していたのだ。
カラオケでも同じことが起きている
そして、この構造は歌にもある。
「Tropical Therapy」がリリースされる前、自分は当然この曲を歌うことができなかった。
しかし曲を繰り返し聴き、実際に歌い、間違え、また聴くことを繰り返した。
今ではカラオケだけでなく、歩きながらでも自然に歌える。
歌詞やメロディーを一音ずつ必死に思い出しているわけではない。
次に来る音や言葉が自然に出てくる。
ONE OK ROCKのほかの曲についても、長い時間をかけて繰り返し聴き、歌ってきたことで、多くの曲を歌えるようになった。
最初は歌えなかった。
でも、
予測する。
歌ってみる。
本物を聴く。
間違いを修正する。
また歌う。
これを膨大な回数繰り返した結果、できるようになった。
そして、プログラミングへ
今、この成功体験を最も活用したいのがプログラミングだ。
現在の自分にとって、プログラミングは仕事や生活費につながる重要なスキルだからだ。
プログラミングでも、数学と同じような壁にぶつかっている。
if文やfor文を知らないわけではない。
リストや辞書についても理解できる。
しかし、問題を前にしたとき、
「どの知識を、どう組み合わせれば解けるのか」
がすぐに出てこないことがある。
大学受験当時の自分と同じだ。
アルゴリズムの引き出しがまだ足りない。
だったら、大学受験でうまくいった方法をもう一度使えばいい。
AIを「答えを出す機械」ではなく「答え合わせの相手」にする
ここではAIも強力な道具になる。
ただし、最初から答えをコピペするために使うのではない。
まず自分で考える。
「for文かな?」
「辞書かな?」
「ここでsetを使えるのでは?」
「次の処理はこうなるのでは?」
と予測する。
コードを書いてみる。
分からなくなったらAIのお手本を見る。
そして、
「自分の予測と何が違ったのか?」
を確認する。
その後、お手本を閉じる。
もう一度、何も見ずに書く。
できなければ、また確認する。
そして再び書く。
これは、大学受験のときに地下鉄でやっていたこととほとんど同じだ。
違うのは、今は解答冊子の代わりにAIがいることだ。
「できる」とは、予測できることなのかもしれない
歌える。
ピアノを弾ける。
数学の問題を解ける。
プログラムを書ける。
一見するとまったく違う能力だが、その裏側には共通するものがあるのかもしれない。
それは、
「次に何をすればいいのかを予測できること」
だ。
曲を聴けば、次のメロディーが浮かぶ。
鍵盤を弾けば、次の音の位置を予測できる。
数学の問題を見れば、使えそうな解法が浮かぶ。
プログラミングの問題を読めば、
「これは辞書だ」
「ここは二重ループだ」
「この条件ならcontinueだ」
といった候補が浮かぶ。
最初から正確に予測できる必要はない。
むしろ、間違えていい。
大切なのは、
予測する → 答え合わせする → 修正する → 何も見ずにもう一度やる。
このサイクルを回すことだ。
自分は大学受験で、すでにこの方法によって結果を出した経験がある。
歌でも同じことを繰り返してきた。
そして今日、ピアノでたった5音を弾いたことで、それらが一本の線としてつながった。
「何時間考え続けたか」ではなく、
「何回、予測と修正を繰り返したか」
これからのプログラミング学習では、この考え方を実践していきたい。
今日弾けたのは、たった5音だった。
でも、その5音から思い出したのは、かつて自分を特待生にまで連れていってくれた学び方だった。